面接の結果2

2008年2月3日 お仕事
本業として行政書士をされている先生と面接を行った。

結果は、不採用。
面接開始から、10分足らずで言い渡された。
それに至るまでに、
「この近辺での行政書士試験対策の予備校の授業料が、約20万ですが、予備校は結局条文を説明しているだけですので、将来の仕事には直接関係ないものが多いと思ってます。ですから、あなたには、次の試験結果までに行政書士としての仕事やノウハウを教えていただきたい。5割り増しの付加価値で30万でお願いしたい。そのかわり、私の仕事振りを評価していただいたうえで、30万円と相殺して私の取り分があったら、それを頂きます。」
と弟子入りの契約のような事を持ちかけてみた。

返事は、
「甘い。そして安い。仮にそのお金を頂いたとしても1か月分だ。うちにそんな余裕はない。」
であった。その理由は、
「君に仕事を教えるだけで僕は時間を割かなければならないし、本来の仕事の時間が減ることで作業効率も落ちる。」
「何より、仕事なんて市役所、公証役場、登記所、裁判所に行けば、担当のものが資料つきで丁寧に教えてくれる。仕事の内容で僕から知ることなんて本来ないはずだ。」
と厳しいものであった。

自分の甘さがよく分かりました。
ものに対する捉え方で、知ってれば分かるはずだが、それを知らないことを気づくことがどんなに困難なことか、それほど僕の目は節穴だったのだ。

10分で断られたが、その後その先生との話は、3時間に及んだ。

僕のように、仕事させてくれと頼みに来る人間がいてすべて同様の理由で断っているらしい。私が公務員出身であることから、彼が個人の自営業ながらも一経営者としての心構えを分かりやすく教えてくれた。どれも耳障りの悪いものだったが、確かに的を言えている。僕は反論が出来ないのだ。しかし、彼の話は、9割以上目からうろこをぼろぼろ落とすものだった。悔しいが、やはりこの先生は「商売」としての行政書士のあり方をちゃんと把握している。

まず資格ありきだということは言われていたが、わざわざ同業者から教わらなくても君だけでできることもある事を忘れるな。という事を言いたかったのだと思う。
現在行政書士が取り巻く環境の厳しさ、テストの基準点と必要な棟梁を払えば、バッチと資格がもらえる制度による加熱する傾向にある競争。だが一方で、行政手続に関する上で、依頼人の代理人としてより一層の権限の広がりを見せて、ある種弁護士業務に近いことも可能だということ。いい事も悪いことも教えてもらった気がする。

確かに行政書士としての仕事も、本屋に行けば、簡単に手続きに関する資料が氾濫している状態だ。しかもそんな本は、どんなに高くても3000円もしない。その本を読んで処理が自分で出来るものが、わざわざ自分から法律家にお金を払って仕事を依頼するだろうか?多分俺ならしないと思う。
手続きのプロというだけでは、容易に顧客など来ないし、適切な営業もしないといけない。要は「いかに信用を売りつけるか」が問題になる。『あの人に任せてみれば、どうにかなりどうだ。』という動機付けの仕方を考えてみたまえよ、ということだ。
資格も手続きの仕方を覚えることは当たり前。一歩を先に踏み込む事を、そういえば僕はよく考えていなかった。

話が終わって、「遅くなりましたが、ささやかながら手土産です。一応甘いものとそうでないものを両方ありますが、ご家族とご一緒に食べてください。」と元公務員のルーチンワークをしたところ、
「気が利くねー、意外にこういうことないんだよw。わかってるなー。」と笑っていた。それから玄関まで見送っていただいた時に、「その職歴と君の心構えは、割と度胸があるな。なんか会ったら連絡してよ。直接遊びに着てくれてもいいからね。」と僕のオヤジと同じぐらいの年代の先生は、そう優しく言ってくれた。

頼りになりそうな人が出来た。
面接は落ちたけど、ある意味目標もはっきりしたし、胸は結構晴れ晴れしてるね。

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